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確か、あのアルバムだったよな……。


ぼくは、押入れの奥に仕舞ったダンボール箱から

何冊かの古いミニアルバムを引っ張り出した。


アルバムをパラパラめくると

そこには、ぼくの中学時代の写真が並んでいた。


久しぶりだよな、こんな写真を見るのは……。


そこには、中学時代のぼくが

何の悩みもなさそうに、ニコニコと笑っていた。


いや、この頃だってもちろん

いろんな悩みは、あったはずだ。


でも、そんなことは

時間が経てば、ぼんやりと忘れてしまっている。


きっと思い出なんて、そんな風に

強烈な輪郭だけを残して

その周りにあった、細かいことは忘れてしまう。

そんなものだと思う。


記憶なんて、所詮は曖昧なものだ。


本当にあったのか、なんて

それは、もしかしたら

自分が、そう思い込んでいるだけなのかもしれないって

ぼくは、そんな風に思うことが良くある。


だけど、藤香との思い出は

今でも強烈なディティールとともに、思い返すことが出来た。


それって、やっぱり

ぼくが、藤香をどれだけ大切に思っていたのか

その証拠なんだと、ぼくは今更ながら気づいていた。


心当たりのあるアルバムを探してみたが

結局、藤香と撮った写真は見つからなかった。


どこにやったんだっけ?

おかしいな……。


段ボールをひっくり返して、さらに写真を探す。



そのとき、ぼくのケータイにメールが届いた。