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川の上流に向かって、ぼくたち3人は歩く。


しばらく行くと、少しずつ傾斜がキツくなってきた。

川幅も少しずつ細くなって

いつの間にか、川岸のコンクリートもなくなっていた。


そのうち、山を登るような

かなりキツくなった川を登りながら


ぼくは藤香と葵の手を、しっかりと握った。


一時間半ほど、歩いて

ぼくたちは、高速道路の下までやって来た。


ここから先は、更に川幅は狭くなる。

その代わりに、川岸は

また、コンクリートで固められていた。


ぼくたち三人は、コンクリートの一段高くなったところに腰掛ける。


肩から斜めに掛けた、小さなバッグから

ぼくはタオルに巻いた、タッパーごと凍らせた冷たい麦茶を取り出した。


「うひゃあ、冷たい! 麦茶って、最高!」

ぼくの手から、勢い良く麦茶を取り上げた葵が

冷たい麦茶をゴクゴク飲んで、生き返ったようにハシャいだ。


凍らせた麦茶は、半分近くが融けていたが

葵が飲んだあとの麦茶は、残りがほとんどなくなっていた。


「さぁ、藤香も飲めよ!」

葵から、タッパーを取り上げて

ぼくは、遠慮している藤香に渡す。


「ありがとう、お兄ちゃん……お兄ちゃんは、いいの?」

そう言いながら、藤香は

ためらいがちに、じっとぼくを見た。


「大丈夫! 全部飲んでもいいよ!」


藤香は、少しだけ麦茶を飲んで

ぼくに、タッパーを手渡した。