16
川の上流に向かって、ぼくたち3人は歩く。
しばらく行くと、少しずつ傾斜がキツくなってきた。
川幅も少しずつ細くなって
いつの間にか、川岸のコンクリートもなくなっていた。
そのうち、山を登るような
かなりキツくなった川を登りながら
ぼくは藤香と葵の手を、しっかりと握った。
一時間半ほど、歩いて
ぼくたちは、高速道路の下までやって来た。
ここから先は、更に川幅は狭くなる。
その代わりに、川岸は
また、コンクリートで固められていた。
ぼくたち三人は、コンクリートの一段高くなったところに腰掛ける。
肩から斜めに掛けた、小さなバッグから
ぼくはタオルに巻いた、タッパーごと凍らせた冷たい麦茶を取り出した。
「うひゃあ、冷たい! 麦茶って、最高!」
ぼくの手から、勢い良く麦茶を取り上げた葵が
冷たい麦茶をゴクゴク飲んで、生き返ったようにハシャいだ。
凍らせた麦茶は、半分近くが融けていたが
葵が飲んだあとの麦茶は、残りがほとんどなくなっていた。
「さぁ、藤香も飲めよ!」
葵から、タッパーを取り上げて
ぼくは、遠慮している藤香に渡す。
「ありがとう、お兄ちゃん……お兄ちゃんは、いいの?」
そう言いながら、藤香は
ためらいがちに、じっとぼくを見た。
「大丈夫! 全部飲んでもいいよ!」
藤香は、少しだけ麦茶を飲んで
ぼくに、タッパーを手渡した。