そんなことを思い出しながら

ぼくは、考えていた。


なぜ、急に藤香は手紙をくれたのだろう?

急に逢いたいだなんて、何かあったのだろうか?


この11年。

藤香からの手紙なんて、ほとんど来なかった。


たまに年賀状が届くくらいで

それも、ぼくが田舎を離れた頃からは届いていない。


いくつか疑問が、ぼくのアタマの中を駆け巡った。


でも、まぁ逢って話を訊けばいいか……。


それからの9日間は

じれったいような、ワクワクするような

そんな気持ちで過ごした。


もちろん、毎日仕事でバタバタしていたが

ふとした瞬間に、ぼくは

つい藤香のことを考えていた。


ぼくのアタマの中に登場するのは

やはり、あの頃の藤香

そう、13歳の藤香の姿だった。


藤香は、もう24歳になっているのにな……。

まぁ、あれから逢っていないのだからしょうがないか……。


ぼくは、苦笑いしながら思っていた。

早く藤香に逢いたい……。


約束の日が近づくにつれて

そんな気持ちが、ぼくの胸の中で

どんどん大きくなっていた。


そう

あの頃感じていたのと同じような

甘酸っぱい気持ちが……。



約束の日。

ぼくは、いつもより早く目を覚ました。


休みの日は、だいたい昼過ぎまで寝ているのだが

その日は、朝8時過ぎに目が覚めてしまったのだ。