36 『待ち合わせ』

電車が進まない……。

何があったか知らないけど、急いでるっつーの!


早く、早く行かなければ!

早く、早く!


何?

車両故障?

シラネェよ、そんなの!


前に電車が詰まってるって?


全く……。

早く動いてくれぇ!

待ち合わせまで、あと15分!

間に合うのか、俺?


と、言いながらも。

待ち合わせ時間の5分前には、キッチリと到着!


やっぱり、時計は進めるもんだね!

俺の時計は、いつも5分進んでるのさっ!


つか、遅い……。

早く来ーい!


せっかく、時間に間に合ったのに!


……でも、まぁいいか!

風が気持ちいいし……。


俺は、待ち合わせ場所のカフェのテラスで。

眩いばかりの、陽の光を浴びながら。

言ってるわりには、のんびりと君を待つ。


冷たいアイスコーヒーを飲みながら。

君が現れるはずの、路地の角を見つめる。


ワクワクしながら、君を待つ。

こんな瞬間が、きっと幸せなんだよな……。


俺は、そう感じながら。

もう一度、路地の角をじっと見つめた。

『待ち合わせ』