29 恋愛写小説『アジサイの花言葉』

国道246号線に、はみ出すように咲く。

キレイなアジサイを見つけて、ぼくは立ち止まる。


アジサイの花言葉は。

確か、移り気……だっけか?


こんなにも天気が良いと。

せっかくのアジサイも、辛いだろうなぁ……。


いや、でも……。


良く考えれば、さ。

雨が似合うから、と言っても。

植物のアジサイ的には、やっぱり。

絶対に、太陽が大好きなワケだろうし……。


そうか!

ぼくは、そのとき気づいたんだ。


人が思うイメージなんて。

だいたい、自分勝手で。

それは、本質を捉えてなんかいないんだって。


そして、ぼくは。

君のことを考えていた。


君は、みんなに。

八方美人で、ちょっと軽い女の子だと思われてる。


そう。

まるでアジサイの花言葉みたいに、移り気な……。


でも。

ぼくは、ちゃんと。

本当の君を知ってるんだよ。


君は、アジサイのようにキレイだけど。

花言葉とは違って。

本当に、一途な子なんだって……。


ハンカチで、額の汗を拭きながら。

ぼくは、ゆっくりと歩き出す。


一途な、君は。

ぼくじゃなくて、アイツのことを。

ずっと、好きなんだって。

ぼくは知っていた。

一途な君だから。

ぼくにチャンスは、ないのかもしれないけれど。


それでも、ぼくの君への気持ちは変わらない。


君と同じように。

ずっと……。


『アジサイの花言葉』