28 『君と一緒に』

すげぇ良い天気だったのに。

いつの間にか、空は暗くなって。

ものすごい雨が降って来た。


まるで、俺の気分みたいじゃんか!


俺は、ひざを抱えて。

窓に当たる、激しい雨音を聞いていた。


些細なことでケンカしてしまった、君からの。

連絡は、まだない……。


まったく、何なんだよ!

俺は、絶対に悪くないし。

早く謝って来いよ!

……もしかしたら、君は。

俺のことなんか、キライになっちゃったのかな?


それならそれで、もういいさ……。


いやいや、良くない!

俺は、やっぱり君がまだ……。


そのとき、俺のケータイに。

君からの電話が掛かって来た!


よし、来た!


俺は、わざと。

ゆっくりと、電話に出る。


「もしもし!ねぇ、いいから空見て!空!」

「はぁ?何なんだよ!」

「いいから、早く!」

「何だよ、だいたいさぁ……」


ブツブツ言いながら、ベランダに出ると。

すっかり、雨は止んでいた。


そして。

俺は、見たんだ!


目の前に広がる、キレイで大きな虹を!


「……ゴメン。大好きだから、ケンカなんかしたくない!」

俺は、そんな風に。

素直に、君に気持ちを伝えていた。


はぁ……。

なんだか、情けないけど。

でも、まぁいいか!


俺は、急いで部屋を飛び出す。

君と一緒に、あの虹を見るために。


『君と一緒に』