27 『少しだけ重い風が、教えてくれたこと』

季節の変化は、風の軽さで分かる。


少し湿った、少しだけ重い風を感じながら。

ぼくは、渋谷の街を歩いていた。


暑い、な……。


ガラス張りのビルに反射した光が。

ぼくの目を刺す。


暑いのは、苦手だけど。

でも……。

早く、夏にならないかな……。


だって、夏になれば。

君が東京に、やって来るんだから。


ぼくは、渋谷の街を歩きながら。

君のことを考える。


ぼくは、いつから君に逢っていないんだろう?


最後に逢ったのは、確か。

去年の秋だったっけ?。


パーティーで逢った君は、とても可愛くって。

ぼくは、そんな君が。

気になってしまっていた。


メールや電話で繋がっていたって。

やっぱり、ぼくは。

君の笑顔が見たいんだよな……。


って、あれっ?


少しだけ、重い風を感じながら。


ぼくは、そのとき気づいたんだ。


うん。

いつの間にか、ぼくは。

君のことが、大好きになってしまったことに。


ふと立ち止まった、ぼくは。

ビルの間に見える、真っ青な空を。

ゆっくりと、見上げた。


少しだけ、重い風を感じながら。

君への気持ちも、確かに……。


『少しだけ重い風が、教えてくれたこと』