22 『君の心の鍵』

あるパーティーに出掛けた、ぼくは。

久し振りに、君の姿を見かけたんだ。


久し振りに逢った、君は。

やはり、とても可愛くって。


ぼくは、ついつい。

そんな君のことを、目で追ってしまっていた。


君に、気持ちを告げられなかったけれど。

ぼくは、ずっと君のことが好きだった。


「やぁ、久し振り!元気だった?」

そんな風に声をかけた、ぼくに。

君は、最高の笑顔で応えてくれる。


眩しい君の笑顔から、目を逸らすように。

ぼくは、視線を下に外す。


あれっ……。


「へぇ、良いね。そのペンダント……」

君が付けていたのは、鍵の形をしたペンダントだった。


「良いでしょ?これ……誰か、あたしの心の鍵を開けて!ってカンジ?」

そう言いながら、笑う君を見ながら。

ぼくは、思った。


その鍵を開けるのは、もちろん……。


ぼくは。

君に告げようと思った言葉を、飲み込んだ。


だって、君には。

愛する人がいることを。

ぼくは、知っていたのだから……。


それでも、ぼくは。

君を、見守り続けたいんだ。


たとえ、ぼくが。

君の心の鍵を開けなくても。

もう、誰かが君の心の鍵を開けていて。

そして。

君が幸せで、いてくれるのならば。


それが、ぼくの幸せでもあるんだから……。


明るく笑う、君を見つめながら。

ぼくも、にっこりと笑おうとした。


『君の心の鍵』