17 『きっと、一度きりだから』

ちょっとした呑み会に誘われて。

俺は、南青山へと向かう。


指定された時間、ちょうどに。

俺は、そのレストランに着く。


予約されていた席に案内されると。

そこには、君が独りで不安そうに座っていた。


「あっ、初めまして……」

俺は、ドギマギしながら。

冷静なフリを装って、君に声をかけた。

なぜなら、君は。

昔良く知っていた、彼女に似ていたからだ。


いや、だからと言って。

それは、大した意味を持たない事実なんだけど……。


そして、それから30分間。

俺と君は、二人きりで話をした。

「まったく、みんな遅いよね……」

なんて、そんなことを言いながら。


見れば、見るほど。

君は、彼女に良く似ていた。

だけど。

話せば、話すほど。

君は彼女とは違うことに、俺は気づく。


君は、彼女より確実にキレイだし。

たぶん、彼女よりも魅力的だと思う。


だけど。

だからといって、この先に何かがあるとは。

俺には、とても思えなかったんだ。


きっと、いつものように。

たぶん、もう二度と逢う機会はないかもしれない。

これは、そんな出逢いなのだから。


それならば、今夜は楽しもう!

彼女よりキレイな君に。

彼女の面影を重ねながら。


だって……。


『きっと、一度キリだから』