15 『葉桜のように君を愛す』

桜の花は、一気に咲いて。

そして、一気に散って消え去って逝く。


そんな儚さが好き、と君は呟いた。


ぼくは、君の近くに居て。

ずっと、君を見守っているけれど。


結局、ぼくは。

君にとっての支えには、きっと成り得ていないような。

そんな気がしていた。


でも。

ぼくをじっと見つめる、君の真っ直ぐな視線には。

きっと、嘘なんかない。


だから。

ぼくは、また。

そのとき、自分の心の弱さを再認識してしまった。


でも。

ほとんど花が散ってしまった、葉桜を見上げて。

ぼくは、思い直す。


桜の花は、散っても。

花の鮮やかさに、本当は負けないくらいの。

命溢れる、若葉が伸びていた。


それは、目立たなくても。

確実に、未来への息吹きを感じさせるのだ。

だから……。


ぼくは、君の手を優しく握りながら。

ぼくのほうへ引き寄せて、優しく抱き締める。


ずっと、君を守る用意は出来ている。

そう、心の中で呟きながら。

ぼくは、ゆっくりと目を閉じた。


『葉桜のように君を愛す』