7 『君が誕生日メールをくれたから』

ぼくの誕生日に、直接ケータイメールをくれたのは。

結局、君だけだった。


君とぼくとの関係は。

あの時、終わってしまったはずなのに。

それでも君は、忘れずにぼくにメールをくれた。


ぼくは、嬉しいような寂しいような。

そんな不思議な気持ちを感じる。


今の全てを棄ててでも。

君を手に入れたいと思ったあの気持ちは。

あの時、間違いなく本物だったんだ。


それが、一瞬のことだったとしても。

今は、そうしなくて本当に良かったと思っていたとしても。


君を忘れようと、もがき苦しんだ日々が。

今ではもう、ただの笑い話のように感じられる。


だけど。

ぼくはずっと、君のことを忘れることは出来ないと思うんだ。


君とぼくとの関係は。

きっと、こんな風に微妙なバランスのまま続く。


見守るだけの愛ならば。

きっと、誰にも迷惑はかけないはずだから。

ぼくは、行けるところまで行ってみたいと思ったんだ。

だって、さ……。


『君が誕生日メールをくれたから』



by 和泉ヒロト