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1998年のクリスマスに。

俺と沙樹子は、結婚式を挙げた。


ここに至るまでは、本当に大変だった。

俺の持っていた、大量の本やビデオの処分で。

俺と沙樹子は、大喧嘩をしたり。


パーティーの段取りを決めるのも、大変だった。


しかし、そんなことは。

結婚する誰もが、経験することだと思う。


幸いに、沙樹子は。

俺が感じる限りは、大したマリッジブルーもなかった。


沙樹子が、感情的になれば。

俺が折れれば良い。


ただ、それだけのことだ。


沙樹子の職場のことを考えて。

俺たちは、下北沢にふたりの部屋を借りた。


駅から徒歩10分の、2LDKのマンション。

ちょっと古いが、わりと高級なマンションで。

家賃も、思いのほか安かった。


ふたりの生活は、きっと幸せに続く。

今度こそ、俺は。

沙樹子を幸せにするのだ。


沙樹子は、きっと。

俺の、最後の女になるのだから……。


ふたりだけの部屋で。

沙樹子を抱きしめながら、俺は思う。


これは、ゴールではなく。

スタートなのだ。


きっと、多くの困難があっても。

きっと、俺たちは乗り越えて行く。


ふたりの気持ちが、ひとつならば……。

そのときの、俺は。

そう信じることが出来た。



『恋愛小節1997』



CopyRight by Hiroto Izumi 2007