98

俺も、いま。

沙樹子と、同じことを考えていた。


7年のブランクがあっても。

俺と沙樹子の思い出は、決して消えはしない。


そして、これからの未来を一緒に生きる俺たちには。

そんな数々の思い出は、再び輝くのだ。


山手線、京急線と乗り継いで。

俺たちは、俺の部屋へと戻った。


コートを脱いだ沙樹子を。

俺は、後ろから優しく抱き締める。


「プレゼントがあるんだ……」

俺は、沙樹子をベッドに座らせて。

バッグから、指輪のケースを取り出す。

そして、沙樹子の目の前でゆっくりと開く。


「結婚しよう、沙樹子……絶対に幸せにするから……」


ダイヤモンドの指輪を、じっと見つめていた沙樹子は。

ゆっくりと視線を上げて、俺の目を見つめる。

その瞳は、少しずつ潤み始めていた。


そして、沙樹子は。

大きく、ゆっくりと頷きながら。

俺に抱きついて来た。


ケースから取り出した指輪を。

沙樹子の左手薬指にはめる。

沙樹子は、嬉しそうに。

ダイヤの輝きを見つめていた。


俺は、そのとき。

とても幸せだった。

たとえ沙樹子が、B型だとしても。

俺たちは、必ず幸せになれる。


そのときの俺には。

何の不安もなかった。