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クリスマスイヴの夜。

俺たちは、原宿駅で待ち合わせをした。


地下鉄から来る沙樹子を、コンビニの前で待つ。


待ち合わせの19時を少し過ぎた頃。

沙樹子が、階段を駆け上がって来た。


「お待たせっ!寒いねっ!」

今日の沙樹子は、ご機嫌で。

俺は、少しホッとしていた。


沙樹子は、最近。

感情をストレートに表すようになっていた。


それは、つまり。

俺に、本当に気を許すようになったということだと思う。


昔、付き合っていたときには。

そんなことは、全くなかったし。


俺は、そのことが。

嬉しくもあり、少し不安でもあった。


別に、腫れ物を触るように接するわけではないが。

沙樹子は、一度気分を害すると。

かなり大変だった。

明らかに、こちらの非でないと分かっていても。

ややこしいから、俺が謝る。


それで解決するならば、それでも良いと思っていた。


だって、俺は。

沙樹子よりも、5つも歳上なのだから。


今日の沙樹子は、きっと大丈夫だろう。

俺は、そう信じて。

沙樹子の肩を優しく抱いた。


代々木体育館の方に向かうと。

そこには、大きなクリスマスツリーがあった。