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ホテルの部屋に戻った、俺たちは。

ふたりで、貸切の露天風呂に入った。


一緒に、のんびりと湯船に浸かりながら。

俺は、沙樹子の顔をボーっと見つめていた。


「やだっ!もうっ!恥ずかしいよ……」

そう言った、沙樹子の手を取って。

俺は、ゆっくりと引き寄せた。


裸の沙樹子を、後ろから抱き締めて。

俺は、囁く。

「……もう、絶対にお前を離したくないんだ……」


沙樹子は、俺の手をすり抜けて。

くるっと、俺のほうに向き直った。

そして……。


「わたしも、だよ……。結婚しよう!ひろ……」

そう言いながら、沙樹子は。

ゆっくりと、俺の唇にキスをした。


函館から戻った、俺は。

さっそく、沙樹子のご両親に挨拶に行った。


もちろん。

沙樹子との結婚を、許して貰うためだ。


「お父さん、お母さん……ぼくは……。絶対に、沙樹子さんを幸せにします!だから、お許しをいただきたくて、今日は来ました!」

俺は、少し緊張しながら。

それでも、意外と落ち着いて。

そう伝えることが出来た。


「……これからのふたりを、見せて貰うよ。話は、それからだ……」

厳しい顔で、そう言ったお父さんは。

そのあと、ニッコリと笑った。