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函館空港に降り立った俺たちは。

東京とは違う涼しさに、感動していた。

と、いうか。

実は、かなり寒い。

俺たちは、タクシーで湯の川温泉へと向かう。


空港を出て、しばらく走って右折すると。

そのうち、左手に海が見えて来た。

天気が良くて良かった!

天気予報では、明日は少し崩れるかもしれないようだが……。


沙樹子は、相変わらずご機嫌で。

楽しそうに、窓の外を眺めていた。


ホテルへは、思ったよりも早く到着した。


ホテルは、川のそばにあるキレイなホテルだ。

チェックインを済ませた俺たちは、部屋へと案内される。

エレベーターで3階に上がって、長い廊下を歩く。


その部屋は、思いのほか広かった。

ベッドが2つと、さらに和室もある。


「わぁ!キレイだね、海がキラキラしてる!」

沙樹子は、正面の窓から見える景色に歓声をあげた。



それから俺たちは、畳の上に座って。

沙樹子が入れた、熱いお茶を飲んだ。


座卓を挟んで、なぜか正面に座った沙樹子を。

俺は、じっと見つめていた。

沙樹子も、俺をじっと見る。


「どこ行こうか?」

そう言った俺の言葉を遮るように。

沙樹子が口を開いた。