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「えっ?ホントに?ホントに来る気なの?」

「あぁ……。絶対行く!」

沙樹子は、俺の言葉に驚いていた。

「ふーん。別にいいけど……」


俺だって、分かっていた。

今日の俺は、超強引だ。


でも。

俺は、気付いていたのだ。


やはり、沙樹子と一緒に居るのは楽しい。

そして、きっと沙樹子となら。

落ち着いた時間を一緒に送れるに違いない……。


俺は、そのとき。

そんな風に思い込んでいた。


だから、超強引にでも。

俺は、もう一度。

沙樹子と始めるのだ。


「お邪魔します!」

俺は、玄関でそんな挨拶をしながら。

沙樹子の家に足を踏み入れた。


沙樹子の家に来るのは、初めてだった。

ちょっと古めだが、大きな2階建ての一軒家だ。


俺の大声を聞いて。

奥から、沙樹子のお父さんとお母さんが顔を出す。


「ご無沙汰してます!っていうか、初めまして!」

俺は、動揺を隠しながら。

明るく、そう言って頭を下げる。


沙樹子のお父さんは、まだ50半ばくらいで。

高校の教師をしているだけあって、真面目な感じだ。


お母さんは、優しそうな人だった。

俺とは、20歳くらいしか離れていないだろう。