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そして、突然逝ってしまったリカや阿川のこと……。


人は、突然死んで。

そして、全てが終わる。


だから、俺は。

この一瞬を大切に生きる。

ただ虚無的に、ではなく。

必ず、何かを残すために……。


そして、俺は。

そのとき、沙樹子のことを思い出していた。


この場所は。

沙樹子が住む街だったのだ。


俺は、そんな偶然に驚いていた。

最近では、沙樹子のことを思い出すことさえ無かったのに……。


会社に戻るロケ車の中で。

俺は、沙樹子のことを考えていた。


沙樹子は、昔俺が付き合っていた女だ。

もう7年にもなるのか……。


沙樹子は、小児科の看護婦だった。

俺と沙樹子は、ある合コンで出逢った。

めったに合コンに行かない俺だが。

その日は、珍しく合コンに参加していた。


その帰り道に。

俺は、沙樹子の電話番号を訊いた。

そして、すぐに横浜でデートをした。

それから、なかなか逢えなかった俺たちは。

久しぶりに逢ったその日、池袋のクラブで夜を過ごして……。

そして、処女だった沙樹子を。

俺は、抱いた……。


沙樹子とは、短い付き合いだった。

すべては、俺が悪かったのだ。