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俺は、焦りながら。

もう一度、ホームに愛美の姿を捜す。

いない……。


……仕方ない、か。

俺は、ホームから下りエスカレーターに乗る。


エスカレーターを下りた、正面の売店に。

愛美が、ボーっと立っていた。


愛美!

俺は、心の中でそう叫んで。

逸(はや)る気持ちを抑えながら。

愛美のそばへと、歩く。


「お嬢さん、忘れ物ですよ……」

そう言いながら、俺は。

愛美を、ギュッと抱き締める。


驚いたように、愛美は。

俺の目を見つめた。

「お前を失いたくないんだ……その気持ちを伝えたくて……」

そのとき、愛美は。

微笑みながら、ひと粒の涙をこぼした。


会社に向かいながら、俺は。

愛美のことを想う。

愛美は、結局。

俺から離れて行ってしまうのだろうか?

女の気持ちは、単純ではない。

俺は、今まで。

散々、女の気持ちに振り回されて来た。

だから。

愛美を信じようと思っても。

信じ切れない、俺がいるのだ。


俺がいくら愛美を愛して、信じていても。

愛美は、もう。

俺の気持ちを、信じてくれないのかもしれない。


俺は、そんな風に。

自信を、なくしていたのだ。