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次の日。

早めに仕事を切り上げた俺は。

JR品川駅に向かった。


ROLEXの針は、午後7時を指していた。

駅の中央改札を出ると。

正面に、愛美が立っていた。

両手を振りながら、愛美は。

ニッコリと笑う。


愛美は、とても可愛い。

でも。

そんな愛美が東京に来ることを。

なぜか、素直に喜べない俺がいた。


京急に乗り換えて、青物横丁に向かう。

青横の、駅の改札を出たところで。

愛美は、俺の手を取った。

俺たちは、手を繋いで歩く。


横断歩道を渡ってから、第一京浜に出て。

すぐのところに、その店はあった。


そのステーキハウスは、俺のお気に入りで。

一度、愛美に食べさせてやりたかったのだ。


無骨な、山小屋風の店内で。

俺と愛美は。

厚い木の板で作ったテーブルを挟んで、向かい合う。


「ほんまや!めっちゃ旨いやん!」と。

愛美は、子供のようにハシャいでいた。

俺は、そんな愛美をじっと見つめていた。


もし、今。

愛美が、いてくれなかったら。

それはそれで、俺はかなり寂しいだろう。


でも。

愛美が東京に来たとして。

そして、一緒に暮らしたとしても。

麻里恵の、二の舞になるのではないのか?