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愛美からの連絡は、ない。

ROLEXの針は、午後10時を回る。


閉店した喫茶店を出て。

俺は、近くのファミレスに移動した。


俺は、愛美の携帯に電話する。

やはり、すぐに留守電になった。


何度も、留守電にメッセージを入れるのも、なぁ……。

俺は、電話を切って。

ゆっくりと目を閉じた。


終電が近くなって来た。

今日は、仕方ないか……。

俺は、ゆっくりと席を立つ。


高田馬場駅に向かいながら。

俺は、少しだけ虚しさを感じていた。

何やっとんねん、俺は……。


夜風が、気持ち良い季節になっていた。
見上げた空には、まん丸の月が輝いていた。


離れていても、俺と愛美は。

同じ月を見ながら、電話で語り合った。


今は、すぐそばにいるのに……。

俺は、そのとき。

少しだけ、感傷的になっていたに違いない。


青物横丁駅を出たとき。

俺の携帯が、ブルブル振動を始めた。

愛美だ!


「もしもし、ひろ?ごめんな~電話出れなくて!」

愛美の声は、いつもより少しだけテンションが高かった。

「えへへ~。良い話があるよ!あのな、わたし……。東京に住むから!」