58

夕方から、俺は。

愛美の部屋に、落ち着いた。


この前、来たときと同じように。

この部屋は、居心地が良かった。


愛美の肩を、抱きながら。

ふたりで、ゆっくりと流れる時間を過ごす。


俺は、愛美を抱き締めて。

優しくキスをする。


「なぁ、愛美……。ううん……大好きだよ……」

俺は、そのとき。

愛美に訊こうとして、思いとどまったのだ。


大阪を離れて。

東京に来る気は、ないか?と。


でも、そんな急に。

そんなことを言われても。

愛美だって、困るだろう。


焦る必要なんてないのに……。

俺は、愛美の顔をじっと見つめながら。

そんなことを、考えていた。


その夜。

俺は、愛美を抱いた。


愛美は、かわいい。

そして、全てが愛おしかった。

だけど……。


俺は、麻里恵とは違う感情に戸惑っていた。

そして、俺は気づくのだ。


そう。

俺が、どれほど深く。

麻里恵を愛していたのか、ということを……。


愛美とは、手をつないで眠った。

俺は、愛美の寝顔を見ながら。

この女を、本気で愛そうと思っていた。

そのときは、確かに……。