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次の土曜日。

俺は、愛美に逢うために。

朝8時の新大阪で、大阪に向かった。


新幹線が、新大阪駅に滑りこむ。

ホームに下りた俺は、愛美の姿を捜す。

愛美は……いない、か……。

やれやれ。

これでは、美佐の時と同じだな……。


待ち合わせをしても。

なかなかホームで落ち合えなかった、美佐のことを。

俺は、そのとき。

少しだけ思い出していた。


愛美も、そうなのかな……。


そのとき。

「こんにちは、ひろ!」

そう言いながら、愛美は。

満面の笑みで、俺の前に現れた。


「どこからわいて来たんだい、キミは……」

「えへへっ!売店の陰に隠れたった!」

俺は、愛美の髪を優しく撫でながら。

愛美の笑顔をじっと見つめていた。


今、この瞬間が。

たぶん、今の俺にとっては。

かけがえのない、一番大切な時間なんだって。

俺は、そう感じていた。


俺は、大阪の街を歩く。

愛美と、手を繋いで。


愛美は、決して麻里恵の代わりではない。

だって、愛美は。

麻里恵とは、全然違う。

俺は、ふと湧いたそんな思いを振り払う。


散り始めた、桜の花びらが。

風に乗って、辺りの空気を春色に染めていた。