56

愛美とは、毎日電話で話をした。

もちろん。

毎日何回も、メールのやりとりもする。


しかし、それでも。

俺は、寂しさを感じていた。


麻里恵が、アメリカに行っていた時だって。

一年半という時間を、俺は独りで過ごしていたのに。


その時間は、もちろん辛くて寂しかった。

だけど。

時間さえ経てば、麻里恵は帰って来る。

そんな希望が、俺の気持ちを支えていたのだ。


愛美とは、どうなんだろう?

大阪という、行こうと思えば逢いに行ける。

そんな、中途半端な距離。


そして、毎日コミュニケーションだって出来る。


愛美に、コンスタントに逢えるとすれば。

愛美が、東京にいるのと。

さほど、変わらない気もした。


いや、それは違うか……。


俺は、きっと。

愛する女には、いつも。

そばに、寄り添っていて欲しいのだ。


毎日、肌に触れて。

毎日、抱き締め合う。


そんな、直接的な愛が。

きっと、俺が望む愛なのだ……。


だから。

いくら、電話やメールをしたって。

俺の寂しさは、消えない。


いや、逆に。

寂しさが募るだけだ。


俺は、愛美にメールを書く。

この週末に、お前に逢いに行く、と。