55

東京での毎日は、なんとなく過ぎて行く。

麻里恵との未来を失ってしまった俺は。

きっとまた、女に対して醒めていたのだ。


でも。

そんな俺だけど。

愛美との居心地の良さは、失いたくは無かった。


あの日、東京に帰ると。

ミキから、メールが届いていた。


ミキのメールには。

あのことには、一切触れずに。

淡々と、形式的なお礼だけが書いてあった。


ミキは、どうして俺と寝たのだろう?

きっと、ミキ自身何か抱えていたものがあったとしたら。

俺の罪悪感も、少しだけ楽になる。


いずれにしても、女は良く分からないものだ……。


愛美から届いていたメールは。

ものすごく、ラブラブだった。


それは、こっちが恥ずかしくなるほど甘くて。

愛美のメールを読むと、俺はついついニヤケてしまう。

くすぐったいような、変な感じだ。


しかし、俺は。

すぐに冷静になる。


愛美は、きっと。

俺のことを、偶像化しているのだ。


俺は、そんなに格好良くもないし。

そんなに好きになって貰う価値なんてないのだから。


だけど。

そんな風に想ってくれる女がいるだけで。

俺の心は、癒されていた。