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駅から少し歩く。

ほんの数分歩いたところに、愛美のマンションはあった。

茶色いタイル張りの外壁は、高級感がある。


俺たちは、エレベーターに乗り越んで5階で下りる。

廊下を数メートル歩くと、そこに愛美の部屋があった。


愛美の部屋は、ナチュラルな雰囲気を大切にしていた。

フローリングの床に、生成りのラグが敷いてある。

カーテンも生成りだ。

もちろん、いくつかの観葉植物がある。


なんだか、落ち着くな……。


俺は、ナチュラルウッドの丸いテーブルの前に腰を下ろしながら。

ボーっと、そんなことを考えていた。


すると。

愛美が、俺の隣に滑り込むように寄り添って来た。


愛美……。

俺は、甘えて来る愛美の髪を優しく撫でながら考えていた。

あれっ?

俺、何やってるんだろう……。


俺は、自分の意志に反して愛美を受け入れようとしていた。

そして。

そのことに気づいた俺は。

恐怖を感じていた。


昨日、俺はミキを抱いた。

ミキとは、どうする?


でも。

ミキとは、たぶんもう何もないだろう。

それは、きっとミキだって期待していないと思う。


でも、愛美とは?