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午前11時の少し前に、ホテルをチェックアウトした俺は。

その5分後。

すぐ近くの喫茶店で、モーニングセットを注文していた。


ホットコーヒーと食パン、ゆで卵という組合せが。

大阪の朝を感じさせる。


普段なら、絶対にこんなメニューは食べないよな……。

俺は、意外と旨いコーヒーをすすりながら。

ボーっと、そんなことを考えていた。


やはり、大阪にいるときの俺は。

いつもの俺では、ないのかもしれない。


俺は、そのとき。

昔、大阪の女と遠距離恋愛していたときのことを思い出していた。


あの時の俺は、きっと。

大阪では、東京と別の現実を過ごしてしまっていたのだ。


俺は、大阪に彼女が居ながらも。

東京で、すぐそばに居てくれる女を愛してしまった。


そして、俺は。

そのために、自分自身も。

そして、周りにいる女も。

苦しめてしまったのだ。


そのときの俺は。

生活のほとんどである、東京の生活を現実と感じていた。

夢のように過ぎる大阪の生活は、普段の俺の現実ではなかったに違いない。


今の俺には。

東京にも、大阪にも。

愛する女は、居ないんだ……。


だから、ミキを抱いたとしたって。

何も変わりやしない……。


俺は、そんな風に納得しようとしていた。