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ミキの出す甘い声に、俺は。

スイッチが入ってしまった。


ミキを、ゆっくりとベッドに押し倒しながら。

俺は、何も考えないようにしようとした。


今、この一瞬だけでも。

俺は、温もりが欲しかった。

だから……。


すべてが終わったあと。

ミキは恥ずかしそうに、シャワールームへと消えた。


ミキが浴びる、シャワーの音を聞きながら。

俺は、やはり。

後悔していた。


また、面倒のタネを抱えてしまった……。

でも、まぁいいか……。


そして俺は、朝まで。

ミキを抱き締めて眠った。


甘えてくるミキを抱き締めながら。

俺は、麻里恵の夢を見た。


そんな一瞬だけでも、俺は。

幸せを感じていたに違いない。


朝、目を覚ますと。

もう、ミキはいなかった。


ベッドサイドのテーブルの上に。

ミキはメモを残していた。


そこには、ミキの携帯番号と。

メールアドレスだけが書かれていた。


やっぱり、ミキはいい女だな……。


俺は、余計なことを一切メモに書かなかったミキに。

素直に、感心していた。


俺は、ベッドの時計を見る。

針は、午前10時17分を指していた。