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俺の視線を、敏感に感じ取ったミキは。

恥ずかしそうに、俺のそばまで走り寄って来て。

俺の肘に、自分の腕を絡めた。


可愛いな、コイツ……。

俺は、冷静を装いながらも。

実は、内心。

珍しく、ドキドキしていた。


ホテルまでの、道すがら。

俺とミキは、くだらない世間話をしながら歩いた。


何気ない話をしながらでも。

ミキの性格の良さが良く分かる。


ホテルに着いた、俺たちは。

フロントから、少し離れた場所にあるエレベーターから3階に上がる。


カードキーで、部屋の鍵を開けて。

俺たちは、部屋に入った。


「うんっ、面白い部屋……」

ミキは、そう言いながら。

部屋のあちこちを見て回った。


俺は、そんなミキを見ながら。

このあと、どうするべきかと考えていた。


この状況は、もう。

ミキを落としたも同然だ。


しかし、俺は。

麻里恵に裏切られた、今の俺は。

女を愛そうという気には、とてもじゃないがなれなかった。


セミダブルのベッドに腰掛けた、俺のそばに。

ゆっくりと、ミキが座った。


俺の目を、ミキがじっと見つめる。

「悪い子だな、君は……」

首を左右に振るミキを、俺は。

ギュッと抱きしめた。