42

俺は、ニヤリと笑いながら。

ミキの耳元で囁く。

「いいけど……。でも、どうなっても知らないぜ……」


ミキは、恥ずかしそうに。

「もういやや、ひろさん冗談ばっかり!」と笑う。


俺には、ミキのリアクションが楽しかった。

この子は、いい子だな。


そんなミキを、俺は。

もちろん、ホテルに連れ込んで。

どうこうするつもりは、ない。


二次会は、0時過ぎに終わった。


3次会のカラオケに流れる途中で。

俺は、ひとりホテルに帰ることにした。


カラオケは、苦手な訳ではないが。

実は、あまり好きではない。


せっかく、同じ時間を過ごすならば。

ちゃんと、話をしたいと思うからだ。

カラオケをしながらでは、ちゃんとした話は出来ないし……。


みんなと別れて、少し歩いた所で。

突然、俺は後ろから声を掛けられた。


「ひろさん!部屋見せてくれるんとちゃうの?」


振り向くと、そこには。

ミキが、にっこりと笑って立っていた。


「どっから湧いて来たんだね、君は……」

そんな俺の冗談に、ミキは。

「もう帰れへんし……」と、真顔で呟くように応えた。


ミキは、自分自身で言い訳を作ったんだな……。

俺は、そんなミキを。

つい、熱く見つめてしまっていた。