36
午後7時から始まった、その呑み会は。
あっという間に、開始から3時間を経過していた。
その間。
愛美は、一滴も酒を呑まない俺を。
不思議そうに見ていた。
「ひろさん、ホンマにお酒呑まへんの?ワザとと違う?」と、愛美は言う。
俺は、苦笑いしながら。
「ホントだよ。酒弱いからね。呑むと危なくなるし」と、言う。
「どんな風になるの?怖い?」
「あぁ、怖いかもな……。すぐ女口説いちゃうよ、俺」
そんな冗談を言いながら、俺は。
愛美の目を、じっと見つめた。
ホロ酔いの愛美は、顔をさらに赤らめて。
「じゃあ、呑ましたろかな……」と、囁く。
愛美って、可愛いよな……。
俺は、そのとき。
素直に、そう感じていた。
そろそろ、1次会は終了で。
そのまま、ほとんどのメンバーが二次会に流れることになった。
「愛美も行くだろ?」
俺は、店の出口で。
愛美に、そんな風に声を掛ける。
「あのな、この後アカンねん……ごめんなさい……」
愛美は、本当に残念そうに。
何度も俺に、ごめんなさい、と謝った。
「いやいや、そんなに謝ることないけどさ……」
俺は、そんな愛美がかわいくって。
つい、愛美の手を取って引き寄せていた。
そして、愛美の耳元で俺は囁く。