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街なかにある、食事が出来る店自体の数も多そうだし。


とにかく、何を食っても旨い気がする。


それは、お通しの酢の物を食べただけでも感じられた。



俺は、少しだけ幸せな気分になる。



俺が、隣に座った子は。


細いカラダに、艶やかな黒髪のショートヘアーが似合っていた。


切れ長の目だが、微笑みをたたえた彼女の雰囲気は。


とても、柔らかく見えた。



今日の5人の女の子は、さすがにみんな可愛いが。


直感的に、俺が話したいと思ったのは。


今、隣に座っている彼女だった。



「……初めまして。やっぱり、こっちは可愛い子が多いね!」


俺は、そんな適当なことを言いながら。


隣に座った彼女に、ニッコリと笑いかけた。



「そう?そう言われると照れちゃうな!」


可愛い大阪弁のイントネーションで。


そう言いながら彼女は、とても楽しそうに笑った。



いつもの俺ならば「えっ?」と、ボケるところだが。


その時の俺は、まだそんな気分じゃなかったのだ。



「名前、なんて言うの?」と、俺は訊く。


「えっと、本田です」


「いや、そうじゃなくってさ」


「……もしかして、下の名前ですか?」


「もちろん!」



彼女は、クスクス笑いながら。


俺の目を、じっと見つめた。