19
結局、やることが無くなってしまった俺は。
午後3時過ぎには、実家にいた。
「まぁ、しょうがないよね」と、妹たちは笑った。
俺も、無理して笑う。
夕方までテレビを見ながら、のんびりと過ごして。
それから、家族でホテルへと向かった。
実家から車で10分の距離にあるホテルに着く。
フレンチのレストランに入ると。
席は、個室が用意されていた。
主人公がいない、こんな状況は。
俺的には、かなりキツい。
なんとなく、ぎこちない雰囲気のなかで。
フレンチのコースは進む。
みんな、俺に気を使ってくれていて。
それが逆に、心に痛い。
俺は、家族に心配をかけないように。
明るく振る舞った。
麻里恵を恨むでもなく。
なぜ、麻里恵が来なかったのかを考えながら。
食事を終えた俺は、独りでホテルに戻る。
明日の朝、予定を早めて東京に戻ろう……。
俺は、麻里恵に電話しようとして。
また、手が止まる。
やはり、逢って話さないとダメだ。
いま電話をしてしまったら、きっと。
麻里恵に、酷いことを言ってしまいそうだったから。
明日、麻里恵に逢って話をするんだ……。