15


ベッドから起き上がった俺は。


立ち上がって、窓の外を見る。


明日も、良い天気になりそうだ。


そんなことを思った、その瞬間。


麻里恵が言った。


「あのね……。撮影、終わったよ。でも……。わたし、行けない……」


えっ?


急にトーンが下がった麻里恵の声と言葉に。


俺は、耳を疑った。



「……どうして?」


俺は、マヌケなことに。


そんな言葉しか言えなかった。



「ご両親や妹さんたちには、本当に申し訳ないって思ってる。だけど……」


「……だけど、何?」


「……わたし、やっぱり。……ひろとは結婚出来ないよ。今回みたいに、いつも迷惑かけちゃうと思う。自信が、ない……」


麻里恵は、いったい何を言っているのだろうか?


俺は、半ば呆然としながら。


それでも、冷静に言葉を続けようとした。


「自信がなくたっていいよ。俺は、大丈夫。迷惑なんかじゃない。……とにかく、さ。東京に戻ったら話そう」



泣きながら、震える声で。


麻里恵は、そんな気持ちを俺に告げた。



俺は、震える手で携帯を切って。


ドスンと、ベッドに倒れ込む。



力が抜けて行く……。



しかし、その時。


俺は、まだ麻里恵の本当の決心に。


ちゃんと気付くことが出来ていなかったのだ。