「うん。ありがとう、ひろ……」


そう言いながら、麻里恵は。


少し涙ぐみながら、ニッコリと笑った。



「なぁ、結婚しないか?俺たち……。お前とずっと一緒に居たいから……」


そんな言葉に、麻里恵は。


恥ずかしそうに、ゆっくりと頷いた。



1997年が明けて。


俺は広島にいる両親に、麻里恵と結婚したいと電話で告げた。


親父もお袋も、電話口でとても喜んでくれた。



俺は、麻里恵を広島に連れて行くことに決めた。


ちょうど、妹たちも帰省するということもあって。


急だが、成人式辺りの連休にした。


確かに急だったが、良いタイミングだと思ったのだ。



ホテルも新幹線のチケットも取って、準備は万端だった。



そんなとき、麻里恵に。


急に、大きな映画の仕事が入った。



最初、2泊3日を予定していたが。


麻里恵のスケジュールから言えば。


撮影が予定通りなら、俺と一緒に2泊出来る。


もし、撮影のスケジュールが延びたとしても。


最悪、1泊は出来る予定だ。



最悪の場合は、俺が先に広島に行って。


麻里恵が来るのを、待つことになるが。



「……ごめんね、迷惑掛けて。……でも、緊張しちゃうな!」と、麻里恵は笑った。



俺は、そのとき。


きっと、舞い上がっていたに違いない。



もし、そうじゃなかったならば、俺は……。