39  『プレゼントよりも嬉しかったもの』


渋谷の街を、ボーっと歩いていたぼくは。


ショーウインドウに飾ってあった、あるネックレスに目を奪われた。



それは、まるで。


一目惚れにも似た感覚で。


ぼくの心を射止めたんだ。



キラキラと輝く、そのネックレスが。


ぼくには、とても特別なものに思えた。



数万円という値段は、まぁ大丈夫だし……。


よしっ!



ぼくは、ちょっと考えたあと。


そのネックレスを手に入れた。



そして。


さっそく、君に逢いに行ったぼくは。


「はい、これ。クリスマスには、別のものあげるからね……」


なんて。


そんなことをサラッと言いながら、君に。


ネックレスの入った包みを渡した。



「えーっ!?すごく嬉しい!」って、君は。


ぼくの予想を上回るほどの喜びようで。


逆にぼくが、ビックリするほどだった。



ネックレスを見た君は、とてもごきげんで。


ぼくは、そんな君を見ているだけで幸せな気分になる。



君は、ぼくの背中にゆっくりと抱きつきながら。


「プレゼントも嬉しいけど……。わたしに買おうと思ってくれたあなた気持ちが、一番嬉しいの!」って。


耳元で、優しく囁いた。



そのとき、ぼくはなぜだか。


すごく嬉しくて。


変な話だけど、ぼくの目には。


少しだけ、涙が滲んでいたんだ。



『プレゼントよりも嬉しかったもの』