34 『君との壁が消えた夜』
ずっと逢いたかった君に、やっと逢えた。
逢えた、っていうのは。
初めてふたりきりで、って意味なんだけどね。
お互いに忙しくて。
逢おう、って約束してから。
もう、2ヶ月という時間が過ぎていた。
ぼくも、君も。
ずいぶん気が長いよね(笑)
ぼくは、思うんだ。
きっと、君とはこんな風に。
これからもゆっくりと、一緒の時間を過ごして行けるんだろうって。
ぼくは、ずっと勘違いしていたのかもしれない。
君という存在に、近づき難い理由は。
君が、ぼくとの間に見えない壁を作っているんだと思ってた。
でも、それは逆で。
やっぱり、ぼくの心に壁があったんだよね。
初めから、そんなことは分かっていたんだけど。
君に逢うと、きっと本気で好きになってしまいそうだ、って。
そんな理由をつけながら、ぼくは。
君をワザと避けてしまっていたんだ。
ただ、ぼくが。
勇気が無かっただけなのにね。
君がぼくに逢いたい、ってメールをくれたときから。
ぼくの気持ちは、動き出した。
君とぼくは、きっと似ているんだ。
3時間という時間が、あっという間に過ぎたように。
君との時間は、とても楽しいから。
そして、また話の続きをするために。
ぼくは、すぐに君を誘いたいって思ったんだ。
きっと、もう壁なんて存在しない。
だって、君という存在が。
今はもう、はっきりと見えているからね。
そして、ぼくは。
君との距離を、もっと。
少しずつでも、近づけて行きたいって思ってる。
長い時間をかけてでも、きっと……。
『君との壁が消えた夜』
了