29 『今日は、君の誕生日』
12月4日は、君の誕生日。
ぼくは、忘れた訳じゃないけど。
君の誕生日に、もう。
プレゼントを贈るのを、やめたんだ。
あれから、8年という時間が経ってしまった。
ぼくは、君と別れてから。
ずっと、ずっと君のことを考え続けている。
でも。
ぼくの瞳のなかに映るのは。
8年前の、君の姿のままなんだ。
あれから、逢うことはおろか。
写真の一枚も見ていないのだから。
ぼくは、自分自身の罪を責め続ける。
きっと、それは。
死ぬまで終わらない苦しみだけど。
でも。
それは、自分自身が出した結論だから。
仕方がないこと、なんだ……。
ぼくから君に届くプレゼントは、もう。
君にとっては、迷惑な代物なのかもしれないな、って。
ぼくが、そんなことを考えてしまうほど。
時間が経ってしまったんだね。
でもね。
それでも、ぼくは。
君がぼくに、逢いに来るのを待っている。
まだまだ、先のことだろうけど。
ずっと、ずっと待っている。
君にプレゼントを贈るのをやめたって。
ぼくの君への愛が、決して無くなった訳じゃない。
ぼくは、きっと。
世界で一番、君のことを愛してるよ。
もし、君がぼくに逢いに来てくれたとき。
君の瞳に映る、ぼくが。
恥ずかしくない父でありたい、と思っているんだ。
だから……。
9回目のお誕生日、おめでとう。
最愛の娘、りーちゃんへ。
『今日は、君の誕生日』
了