27 『苦手な理由が分かったから』
ぼくは、君が苦手なのかもしれない。
話すのにも、気を遣うし。
なるべくなら、近くにいたくないって思う。
どうしてなんだろう、ね。
すごく気になるし。
ついつい、目で追ってしまうのに。
ある日。
ぼくは、勇気を出して。
君に近づいて、ちゃんと話をしてみたんだ。
そしたら、不思議なことに。
その瞬間から。
ぼくの目の前にあった、見えない壁が。
音もなく、崩れ去って行った。
きっとぼくは、怖かったんだと思う。
そう。
君のことを、好きになってしまうのが。
でも、もう。
怖がるのはヤメだ、って決めた。
だから。
もう、ぼくは。
逃げたりしない。
だって、さ……。
『苦手な理由が分かったから』
了