24 『聞こえない、サヨナラ』
久しぶりに、君に逢える!
ぼくは、喜び勇んでパーティーを抜け出した。
君からの誘いは、いつも唐突だ。
だけど、ぼくは。
いつも、君を最優先にして逢いに行った。
だって、さ。
ぼくは、君のことが大好きだったから。
でも。
その夜、ぼくは。
君の、本当の気持ちを知ってしまったんだ。
ぼくは、君にとって。
もう、特別な存在ではないんだね。
何人かのうちの、ひとりなら。
ぼくは、君に逢う意味なんてないんだ。
でも。
本当は、そんなことなんて。
ずっと、ずっと前から気づいていたのにね。
ぼくは、きっと。
ずっと、ずっとそのことに目を背けていたんだ。
だって。
君を失うのが、怖かったから。
でも、もうぼくは……。
「じゃあ、またね……」
君は、そう言って歩き出す。
ぼくは、離れて行く君の背中をずっと見ていた。
もし、君が振り返ってくれたら。
ぼくは、きっと。
まだ君を諦められない、って思った。
でも、君は。
最後まで、振り返ってはくれなかった。
だから。
もう、終わりにしよう……。
ぼくは、ひとつため息をついて。
もう見えない、君の後ろ姿に。
サヨナラと、言ったんだ。
『聞こえない、サヨナラ』
了