23 『冬が来た日だから』
君に、訊いたら。
ホントいろいろと、言ってくれたよ。
うん。
秋と冬の境目の話。
いろいろと、君は言ってくれたけど。
なんとなく、しっくりくる答えが見つからなくって。
ぼくは、きっと。
ずっと、納得のいかない顔をしていたのかもしれないね。
そしたら。
「そうだっ!つないだ手が、あったかかったら冬!」
そう言って、君は。
突然ぼくの手を、ギュッと握った。
ぼくは、ドキドキしながら。
それでも、冷静なフリをして。
手をつないだまま、君と駅まで歩く。
君の手の冷たさを感じた、ぼくは。
その時、気づいたんだ。
ぼくは。
君のことが、本当に大好きなんだって。
「ココア!ココアがうまくなったら、冬!」
そう言いながら、ぼくは。
キョトンとする君の手を引いて、スタバへと向かった。
だって、さ。
君の冷たい手を、あっためてあげたいって思ったから。
きっと、この冬は。
楽しい冬に、なりそうだなって。
温かいココアを、一緒に飲みながら。
ニコニコ笑う、君の大きな瞳を見つめて。
いつの間にか、ぼくも微笑んでいたんだ。
うん。
だって、今日は……。
『冬が来た日だから』
For dear S.
了