22 『君からのメールで気づいたこと』
いつものように、君からのメールが届く。
えっ?
ぼくは、いつもとは違うそのメールの内容に愕然とする。
そして。
なぜか胸が、ズキリと痛んだ。
君が、遠くに行ってしまう。
そう。
メールで君は、ヨーロッパに旅立つとぼくに告げた。
こんなことになるなんて。
ぼくは、夢にも思っていなかったんだ。
君に、好意を持っても。
それは、決して恋愛感情ではないって。
ぼくは。
ずっと、ずっとそんな風に思っていた。
いや、本当は。
ただそんな風に、思おうとしていただけなのかもしれないけど……。
でも。
君が、いなくなってしまうという事実を突きつけられた今。
ぼくの心は、ザワザワと落ち着かなくなった。
君からのメールを、何度も読み返しながら。
君と過ごした時間を、ぼくは思い起こす。
初めて出逢った、あのパーティーでの君は。
とても、かわいかった。
あの、夏の日。
夢を語る君を見つめながら、ぼくは。
これから、もっともっと。
君のことを知りたい、って思った。
これからいったい、ぼくは。
どうすればいいのだろう?
君は、もうすぐ遠くに行ってしまう。
でも、やはり。
ぼくは、その事実を冷静に受け止めなければ、と思った。
だって。
それが君の夢だって。
ぼくは、知っていたのだから。
いま、ぼくが言えるのは。
確実に、いつの間にか君のことを愛してしまっていた、ということ。
今さらそんなことに気づくなんて、って。
マヌケな、ぼくは。
自分で自分のことを笑いながら。
ゆっくりと、目を閉じた。
『君からのメールで気づいたこと』
了