3 『もう二度と逢えないに違いないから』
あなたは、ニッコリと微笑みながらあたしを見た。
地下鉄の中や。
渋谷の街角とか。
もっと言えば。
ちょっとした、パーティーとかでも。
すれ違う偶然なんて、ホント死ぬほどあるよね。
だけど。
ただ、すれ違うだけだとしたら。
その先の関係になんて、絶対に進めないよね。
もし、目の前に。
もう、これ以上はない!っていうほどの。
正に自分の好みにピッタリ!っていう相手が立っているとしたら。
いったい、どうするべきだと思う?
今、ここで声を掛けなければ。
もう、たぶん。
一生巡り会うことは、無いかもしれないよね。
ううん。
たぶんじゃなくて、絶対に無いに違いないよ。
だって東京は、そんな街なんだから。
でも。
そんなチャンスなんて、ホントめったに無くって。
そんな心配なんてする必要もないかも、とは思ってたんだけど……。
でもね。
ホントに、目の前に現れちゃったんだよ。
そんな子が。
ねぇ、どうするべきだと思う?
あたしは、今。
そんなことを、ひとりアタマのなかで考えながら。
ひとつの結論を出して、行動を起こす。
だって。
いま、あなたに声を掛けなければ、あたしは……。
『もう二度と逢えないに違いないから』
了