2 『君のおかげで、俺は……』
最近、ちょっと疲れ気味な俺は。
気分転換も兼ねて、渋谷で行われるパーティーにやって来た。
気の合う連中と逢えば。
きっと、元気にもなれると思ったし。
……そういえば今日、あの子も来るんだよな……。
なんて。
俺は、ふと君のことを思い出していた。
君とは、春に新宿のバーで偶然出逢って。
実はそんなに、大した話もしていないし。
それからは、一度も逢っていないんだけど。
でも。
なぜか俺は、君のことがずっと気になっていたんだよね。
君は。
俺が毎日ブログに書く小説を、ちゃんと読んでくれていた。
だから、きっと俺は。
そんな君と逢うのが、とても楽しみだったんだと思う。
思ったより、仕事が早く片づいた俺は。
パーティーが始まる午後8時には、会場に入っていた。
まだ来てない、か……。
俺は、入口の近くに立って。
君が来るのを、なんとなく待っていた。
カウンターに、ドリンクを取りに行った俺が。
また、入口まで戻ったその時。
目の前に、君の姿を見つけた。
あっ、いた!
久しぶりに逢った君は、やっぱりとてもかわいくて。
俺は、その時。
なぜか急に、胸がドキドキし始めた。
あれ?
おかしい、な……。
俺は、そのとき。
予想もしていなかった、自分の心の動きに。
正直、動揺していたんだ。
「お久しぶりです!逢いたかったんですよ!」とハシャぐ君が。
俺に、確実に元気をくれる。
君と俺は、俺の小説の話をしながら、楽しい時間を過ごす。
「ねぇ。連絡先聞いてなかったよね?」と、俺は。
君と赤外線で、ケータイ番号とメールアドレスを交換した。
そして、俺は。
君の耳元で、こう囁いたんだ。
「なぁ祐美……。今度は、ふたりでゆっくり逢えないかな?」って。
ちょっと悪ぶって囁いてみた俺に、君はニッコリと笑いながら。
「うん!絶対だょ!」と言った。
今夜、君にまた逢えて。
俺の気持ちは、確実に元気になったよ。
仲間には悪いけど。
ありがとう。
やっぱり、君が一番。
俺に元気をくれた。
そして、もしかしたら。
これからも、ずっと君は。
ぼくにとって、大切な存在でいてくれるかもな。
なんて、そんなことを考えていたんだ。
『君のおかげで、俺は……』
了