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恭子との暮らしは、相変わらず続いている。
それは、穏やかで幸せな時間だった。
美佐と別れてからの恭子は、以前とあまり変わらなかった。
さすがに、深酒をすることはなくなったが。
特に、今までと変わった様子もない。
俺は、少し意外だった。
恭子は、俺の決断をもっと喜んでくれると思ったからだ。
でも、まぁいいか……。
俺は、信じていた。
これで恭子は、もっと俺のことを愛してくれる。
俺だけを、って……。
12月の、ある夜。
恭子が帰ってこなかった。
連絡は、何も無い。
俺は、恭子の部屋で。
朝まで、恭子を待ち続けた。
心当たりには、すべて電話した。
探すアテは、もうなかった。
もしかしたら、電話が入るかもしれない……。
そう思って、俺は。
恭子と決めていた、二回コールで一度切れる電話をじっと待った。
いったい、何が起こったのだろう?
俺は、ザワザワする不安感と戦いながら。
恭子の帰りを待った。
朝の5時になる。
俺は、仕事に向かうために。
早めに、恭子の部屋を出た。
連絡が無いのは、事故とかではないんだ、と信じながら。
念のため、江古田駅の周りを見て回る。
そこで、俺は。
見たくもないものを、見てしまったのだ。