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早綾と俺は、一緒に池袋で地下鉄を降りた。
西口を出て少し歩いたところに、その店はあった。
小さいが、家庭的なフレンチを食べさせる、旨いと評判の店だ。
店の奥の、小さなテーブルに。
俺たちは、向かい合って座った。
「えっとね、ひろさんと一緒に、このお店に来たくって……」
そう言いながら、微笑む早綾に。
俺は、そのときまた奈々美の姿を重ねてしまっていた。
肌の白さ以外は、似てないはずのふたりだったが。
確かに俺は、早綾に奈々美を重ねていた。
ふたりには、共通する何かがあるのだろうか……。
ペリエと白ワインで乾杯した、俺と早綾は。
いろいろな種類の、チーズをつまみながら。
初めてふたりだけの、落ち着いた時間を過ごす。
もう、こんな風に。
早綾とふたりで過ごすことも無いんだろうな、と思うと。
俺は、やはり。
少しだけ、寂しい気がした。
俺は、早綾の顔を見ながら考える。
どうして俺は、早綾に奈々美を重ねてしまうのだろう?
そのとき、早綾がつぶやくように言った。
「あたし、ね。大好きなひとがいるの。でも……」
あぁ、そうか……。
そのとき、俺は気づいたんだ。
早綾は、あのときの奈々美と同じなんだ、って。