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早綾は、ラジオ局の総務に配属された新人で。


短大卒だから、まだ二十歳(はたち)だった。



早綾は、もの静かで。


俺たちがするバカ話を。


いつも、ニコニコしながら聞いていた。


自分からは、話しかけたりしないタイプの早綾だったが。


こちらから話しかけると。


ニコニコしながら、話を聞いてくれた。



その日。


新人たちで、呑みに行こう!という話になって。


6人ほどのメンバーで、新橋に出た。


男3人、女3人の。


まぁ、即席の合コンのようなものだ。



とはいえ、さすがに毎日顔を合わせているだけに。


最初から、落ち着いた雰囲気で呑み会は進む。



今日のメンバーには、早綾もいた。


偶然、早綾の隣に座った俺は。


それから、ずっと。


早綾と、いろいろな話をすることになった。



早綾は、いつものようにニコニコしながら。


俺の話を聞いていた。



早綾は、可愛い。


黒目が大きくて、ツヤツヤの黒髪。


まるで、お人形さんのような白い肌は透き通るようだ。



俺の目をじっと見ながら、早綾は話を聞いた。


そんな、早綾の黒目がちの瞳を見つめ返すと。


俺は、吸い込まれそうな気がした。



やばいやばい!


俺は、心のなかで苦笑いをした。