70
俺のアパートがある板橋の小茂根から、晴海までは。
行くのが、ちょっとめんどくさかった。
混雑した有楽町線で、有楽町に出て。
まぁ、ここまでは良いとして。
そこからまた、さらに混雑したバスに乗る。
時間にすれば、一時間ほどだが。
バスが遅れることも、度々あって。
俺は、毎朝7時にはアパートを出た。
朝が弱い、俺には。
なかなかに辛い、毎日だった。
そして、ずっと室内の。
あまり、変わりばえしない日々。
外で働いていた同期のヤツらは。
真っ黒に日焼けしていた。
「いいよな、お前は涼しくてさ!」
「あぁ、まあな……」
俺は、そんな風に答えながらも。
実は、ヤツらが羨ましかったのだ。
確かに真夏の炎天下に、ずっといるのも辛いと思うが。
ヤツらは、とても楽しそうだったのだ。
コンパニオンの女の子たちとも、呑みに行ってるみたいだし……。
俺が仕事をしていた、場内テレビ局は。
約30人ほどで運営していた。
主には、うちの会社の人間と。
テレビ局、ラジオ局の新人アナウンサーたちが集められていた。
女子アナは、もちろんみんな可愛かったが。
俺が、一番可愛いと思ったのは。
事務をやっていた、早綾(さあや)だった。