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立ち上がった、奈々美は。
座っている俺の後ろに、ゆっくりと回り込んで。
そして、俺をギュッと抱きしめた。
えっ?
突然の奈々美の行動に、俺は動揺する。
「ありがとう、ひろ……」
そして奈々美は、俺にゆっくりとキスをした。
俺は、目を閉じる。
そして、いま。
何も考えないようにしよう、と思った。
俺は、奈々美の手首を掴んで。
俺のそばに、引き寄せた。
そして、俺たちは。
激しいキスを何度も交わした。
どのくらい、眠ってしまったのだろう?
奈々美のベッドで、目を覚ました俺は。
反射的に、ヘッドボードに置いてあった目覚まし時計を見た。
午前2時、か……。
奈々美は、俺のそばで。
スースーと、静かな寝息を立てていた。
俺は、薄暗い部屋の灯りに浮かぶ。
奈々美の真っ白い肌に、優しく触れる。
ついに、やっちゃった、な……。
俺は、苦笑いしながら。
奈々美の顔を見つめた。
さっきまでの、奈々美のことを思い出すと。
俺は、最高に幸せな気分になる。
そして。
俺は、思った。
美佐も、恭子も。
もう、やめにしようか……、と。
もし、奈々美が俺だけに向いてくれるのなら。
俺は……。