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俺は、恭子を愛そうと努力していた。


でも……。



恭子を抱きながら、俺はいつも考えていたのだ。


この先、俺と恭子はどうなって行くのだろうか?と。



正直に言えば。


恭子は、重荷だった。



そして。


恭子は、絶対に失いたくない存在でもあった。



俺は、葛藤し続けていた。



そして、俺には美佐がいる。


それはきっと、ずっと変わらないのだ。



このところの恭子は、落ち着いていて。


穏やかな毎日を、俺たちは過ごしていた。


そんな生活は、本当に幸せで。


俺は、恭子との生活を一番に考えることが出来た。



でも、それは。


ずっと続くものではないのだ。



俺が、仕事に就いたということで。


俺が、ずっとそばに居なくても。


恭子は、安心出来るのだと思う。


だから、今は。


恭子は、落ち着いているのだ。



でも、きっと。


こんな幸せな時間は、長くは続かない気がしていた。



俺は、恭子を愛したかった。


でも。


俺は、意識的に。


恭子を愛していないんだ、と思い込んでいた。



それでも、俺は。


ただ、過ぎて行く時間を。


恭子と過ごしていた。



ゴールデンウィークのイベントが終わってからも。


俺は、たまに奈々美と逢っていた。